平成30年・48週~伝染性紅斑~

今週の注目疾患   平成30年・48週(2018/11/26~2018/12/2)

【伝染性紅斑】
 2018年第48週の伝染性紅斑の定点当たり報告数は、定点当たり1.13(人)となり、前週(0.78)から増加した。
本年は8月頃から報告の増加傾向を認め、過去同時期と比較して報告の多い状態が続いており、第43週の週報においても注目疾患として取り上げた。
2018年第48週の定点当たり報告数1.13は、現行のサーベイランス体制となった1999年以降の過去同時期と比較して最も多い報告数であり、また定点当たり報告数1.00を超えたのは、2015年の第29週以来となっている。
直近の伝染性紅斑の報告増は、千葉県のみならず、近隣都県においても同様の傾向となっており、今後の発生動向に注意が必要である。
 本疾患はヒトパルボウイルスB19(B19)によって引き起こされ、感受性者は患者の咳やくしゃみによる分泌物中のウイルスが、吸入や手指等を介して粘膜に触れることにより感染する。
25%(もしくはそれ以上)は感染しても無症候である。発症しても通常は軽症で、症状としては軽度の発熱、鼻水や頭痛の他、両頬に境界明瞭な発疹の出現等である。
人によっては頬部の発疹出現に続いて、胸や背中、手足に発疹が出現することもあり、また発疹部位や手掌・足低に痒みを伴うことがある。潜伏期間は感染から発疹の出現まで4~20日程度である。
発疹は通常7~10日程度で消退するが、時に数週続くことがある。
消退後に日光照射や熱(入浴等による)によって、発疹が再度出現することがある。
患者は小児を中心とするが、成人例も認められ、成人では発疹出現の頻度は低い。
成人例では手足等に関節の痛みや腫れが出現することもあり、特に女性でより多く認められ、成人例では関節痛のみの症状となることもある。
関節痛は通常1~3週間程度続くが、時に数ヶ月におよぶこともある。
ウイルス排出は発疹や関節炎が出現する前(発熱や風邪様症状が認められるとき)が最も多く、発疹症状出現時にはウイルスの排出はほぼなく、感染性はほぼ消失している。
また、感染するとB19に対する免疫を獲得し、一般的に将来の再感染は防止されるといわれている。
 B19感染症で注意すべきものの一つとして、頻度は低いが妊婦感染による胎児の異常(胎児水腫)および流産がある。
妊娠前半期の感染の方がより危険であり、胎児死亡は感染から4~6週後に生ずることが報告されているが、妊娠後半期でも胎児感染は生ずるとの報告もあり、安全な時期について特定することはできない。
ただし、妊婦のB19感染が即胎児の異常に結びつくものではなく、伝染性紅斑を発症した妊婦から出生し、B19感染が確認された新生児でも出生後の発育も正常であることが多い。
さらに、生存児での先天異常は知られていない。したがって風疹感染ほどの危険性は少ないが、職場、子供の保育園・学校等の周囲で患者発生が見られる場合、妊娠中またはその可能性のある方は、感冒様症状を呈する人との接触を可能な限り避けるよう注意が必要である。
手指衛生、咳エチケット等の一般的な衛生対策や体調不良時は自宅で安静にすること等、うつらない・うつさない予防対策が重要である。


【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成30年12月5日更新)

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