令和元年・21週~腸管出血性大腸菌感染症~

今週の注目疾患   令和元年・第 21 週(2019/5/20~2019/5/26)

【腸管出血性大腸菌感染症】
 2019年第21週に、県内医療機関から2例の腸管出血性大腸菌感染症の届出があり、2019年の累計は18例となった。
例年夏季は腸管出血性大腸菌感染症の届出が多く、食中毒予防対策を徹底し、食品の衛生対策を実施するとともに、発生時の二次感染防止策の徹底が重要である。
腸管出血性大腸菌感染症の症状は多様であり、無症状の場合もあれば、時に溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome, HUS)を続発して致命的となるなど様々な病態をとりうる。
典型例では 3~5 日の潜伏期をおいて、激しい腹痛をともなう頻回の水様便の後に血便がでる。
また 37~38℃台の熱や嘔吐を伴うこともある。HUS、または脳症などの重症な合併症を発生することがあり、HUS を発症した患者の致命率は 1~5%とされている。
 腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素(VT)の違いによって、重症度に違いが見られ、VT2 産生株(VT1VT2 もしくは VT2)は、VT1 単独産生株と比較し、患者(有症者)として届出られる割合や血便を呈する患者の割合も高い。
一方で VT1 単独産生株においても、無症状や軽症といったことを背景に症例が探知されずに二次感染が発生し、施設内や集団内で感染が拡大してしまうといったリスクがあり、特に保育園や幼稚園といった施設における集団発生の報告が多い。
手洗いの励行といった基本的な衛生対策、食品の調理時における野菜類の十分な洗浄、肉類の十分な加熱や既知の感染リスクである生肉の喫食を避ける、調理器具類の洗浄、殺菌など交差汚染に対する注意が腸管出血性大腸菌感染症の感染予防に重要である。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和元年5月29日更新)

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